ここでは、蓄電池の容量の選び方について紹介しています。蓄電池の容量は幅広く、各家庭に合ったものを選ぶ必要があります。家庭に必要な電力の計算方法まで紹介しているので、導入時の目安にしてください。
蓄電池の容量を選ぶときは、必要電力から蓄電池の容量を計算すると良いでしょう。ここからは、各世帯で何の電化製品にどのくらいの電力が必要なのか、電化製品の出力の目安と、世帯ごとに必要な電力の目安、蓄電池の容量について紹介していきます。
早速ですが、各電化製品の出力を下記に紹介しています。自宅にある電化製品から、必要とする電力を計算しましょう。電化製品の出力(W)×使用時間で1日あたりに必要な電力を求めてくださいね。
自宅にある電化製品 | 目安電力 |
---|---|
電子レンジ | 1500W |
エアコン | 650W(暖房750W) |
IH調理器 | 700W(弱火) |
洗濯機 容量8kg | 600W |
テレビ | 150W |
照明 | 100W |
冷蔵庫40L | 190W |
パソコン | 100W |
ロボット掃除機 | 33W |
掃除機 | 1000W |
食洗機 容量50L | 770W |
世帯人数ごとに必要とされる電力の目安については、以下の表にまとめました。一般的な家庭で利用される電気使用量の目安としては、単身世帯で1カ月あたり219kWhです。世帯人数が増加・在宅時間が長くなるにつれて使用量が多くなるため、自分の家庭に当てはめて計算してみてください。
電気使用量の目安
世帯人数 | 1カ月あたり(kW) |
---|---|
1人 | 219 |
2人 | 331 |
3人 | 386 |
4人 | 436 |
蓄電池を購入する際は、各家庭の必要電力に合わせた容量を選ぶことをおすすめします。必要電力を計算したら、蓄電池の定格容量ではなく、実効容量を見て検討しましょう。たとえば、定格容量4kWhの蓄電池でも、実効容量が4kWhあるものと、3 kWhしかないものが混在しています。機種によっては、残量が0になると自立起動できない蓄電池があるので注意が必要です。
仮に実効容量4.0kWhの蓄電池でも、使う電化製品を絞れば、1日以上持つケースもあります。冷蔵庫に絞って利用する場合は21時間以上、照明のみなら40時間は利用できる計算です。停電時に何をどのくらい稼働させたいかによって、各家庭に合った容量を選びましょう。
4kWhで出来ること | |
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冷蔵庫 | 90W×21h=3.9kWh |
洗濯機 | 600W×6h=3.6kWh |
照明 | 100W×40h=4.0kWh |
テレビ | 150W×26h=3,900kWh |
蓄電池の実効容量は、一般的に3~16kWh程度です。上述したように、一般家庭では人数にもよりますが、1日あたり6~13kWh程度の電気を使用します。仮に大きな16kWhの容量の蓄電池を用意しても、1~2日で使い切ることが分かります。北海道で起こったブラックアウトでは、発生後から約2日でおよそ99%が復旧しました。つまりよほど大きな自然災害でなければ、使用する電化製品を絞れば、13kWhでしのげる可能性が高いでしょう。
ただ、エアコンが必須な夏季や冬季には、自ずと電気使用量がかさむため、不足する可能性も出てきます。日中は太陽光発電を利用するなど、太陽光発電と太陽電池を組み合わせて利用すると、災害に備えられるでしょう。
蓄電池を購入するときは、目的に合わせたものを選びましょう。蓄電池業者に利用目的や、停電時に必要とする電力量を相談して、家庭に合った容量を購入するのがおすすめです。蓄電池だけでは補えない部分も出てくるため、太陽光発電との組み合わせで導入するのも一つの手だといえます。