太陽光発電や蓄電池は再生可能エネルギーの普及と有効活用で環境にも優しいため導入を検討する個人・法人が増えています。その一方で売電や補助金制度などが変わっていくため整理できず、お金の面で不安になるケースも少なくありません。
そこで設備導入費用の相場や売電の状況、太陽光発電や蓄電池に関する国や自治体の補助金、ソーラーローンなどお金に関する情報や基礎知識についてまとめました。現在、導入を検討中の方は是非参考にしていただければ幸いです。
太陽光発電や蓄電池などを設置する場合には費用がかかります。規模によって金額が変わるため一概にいくらとは言えない部分がありますが住宅用太陽光発電の設置費用は20万~30万円/1kW、蓄電池は80万~200万円程度が相場と言われています。
参照元:経済産業省「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/20210127_report.html)
太陽光発電=売電というイメージを持つ方が少なくありません。太陽光発電の黎明期には固定価格買取制度により安定した売電収入を得ることができましたが、2022年は10kW未満が19円。売電単価は下落傾向にあり収益を上げるのは難しくなっています。
参照元:経済産業省資源エネルギー庁HP(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html)
太陽光発電は設備の価格が下がったこともあり、国からの補助金は現在ありません。市区町村など自治体には太陽光発電に関連する補助金が利用できる場合があります。自治体によって金額は異なり、先着順で予算に達すると打ち切られるので注意が必要です。
蓄電池に関する補助金には国と自治体からのものがあります。2021年度の国の補助金は再生可能エネルギーの普及を目的としたもので実証実験的な意味合いで設けられました。自治体の補助金は太陽光発電も含むシステム導入助成金として用意されています。
太陽光発電や蓄電池などを導入する際に利用できる融資のことです。ある程度の収益が見込まれ設備が保証金代わりになるため、一般的なローンより低金利で頭金や担保なしで利用することができます。固定金利と変動金利の違いによる金利リスクがあります。
FIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の買取期間が満了した発電設備が満了したことを意味します。卒FIT後は買取価格は下がりますが売電を継続したり、新たに蓄電池を導入し自家消費用の発電設備として利用するなどの対策があります。
太陽光発電システムを利用していると、台風や地震などの自然災害や事故により損害を被る可能性があります。また、自分だけでなく、設置した近隣住民にも被害がおよぶ場合もあります。そんな時のために、保険に加入しておくことが望ましいです。太陽光発電に関する保険には、火災保険や地震保険等、4つの種類があります。
万が一太陽光発電の設備が破損してしまった場合、火災保険の対象になる可能性があります。太陽光発電は主に建物として扱われますが、場合によっては家財となります。火災での破損はもちろん、落雷や強風などの自然災害のほか、火災保険の契約内容次第では、浸水被害や盗難時にも補償を受けられます。ただし、太陽光発電設置後は建物の評価額が変わるため、火災保険の見直しをする必要があります。
太陽光発電システムの設置にあたっては、地震による被害についても考えておく必要があるでしょう。しかし地震保険単独では契約ができないため、火災保険とセットで契約を行います。そこで地震保険ではどのような部分について補償してくれるのかを見ていきましょう。
太陽光発電システムにかける保険の1つとして、施設所有(管理)者賠償責任保険と呼ばれる保険があります。自然災害や太陽光発電設備の管理不備などの理由で、第三者に損害を与えてしまった場合に備えておく保険を指します。太陽光発電における賠償責任保険についてチェックしてみましょう。
休業損害補償とは、事故によって本来得られるはずだった収入に対して保険金が支払われる保険を指します。太陽光発電においても類似の保険が存在するのが特徴です。メーカー等の保証では、災害や事故に関するリスクをカバーしきれないケースがあるので任意で保険に加入しておく必要があります。太陽光発電における休業損害補償についてチェックしてみましょう。
太陽光発電パネルや設備に雪が積もった時は、業者に除雪を依頼しましょう。特にパネルの雪を放置した場合、落雪による事故を招く危険が潜んでいます。自分で除雪する方法も考えられますが、落下のリスクがあるほか、除雪中に設備を壊す可能性があります。雪が降りやすい地域にお住まいなら、事前に雪止めなどの対策をしておくのもよいでしょう。
太陽光パネルは徐々に劣化しますが、破棄する際には処分費用がかかります。破棄するパネルの枚数や処分場までの距離によって異なるものの、10万円以上はかかると考えたほうがよいでしょう。また、太陽光パネルを支えるための支柱や架台、パワーコンディショナーなども処分が必要です。廃棄した後は、雨漏りしていないかチェックしましょう。
太陽光発電を導入するなら、覚えておきたいのがピークシフトとピークカット。ピークシフトは、電力使用量が多い時間から少ない時間へ電力消費を移動させることを言います。一方のピークカットは、電力使用量が多い時間帯の電力消費を削減することを指します。ピークシフトとピークカットは、それぞれにメリットがあります。
太陽光発電システムを導入するにあたって複数の業者から見積もりを取る、実績や取扱メーカーをチェックする、自社施工かどうか、アフターフォローはどうかなどをチェックすることが大切です。突然の訪問販売や強引なセールストークなどには注意したほうが良いでしょう。後悔しないためにも、しっかりと業者を選ぶことが重要になってきます。
太陽光発電を導入して後悔しないためには、売電価格への期待を持ちすぎないことやシミュレーションを入念に行うこと、デメリットも把握しておくことなどが大切になってきます。屋根の形状によっては設置できないケースや規模が小さくなる可能性も。まずは複数の業者から見積もりを取り、どの程度の費用が必要になるのかをチェックしましょう。
太陽光発電の導入を検討しているのであれば、併せて検討したいのがオール電化です。家庭内のエネエルギーをすべて電気に頼るオール電化と太陽光発電の相性は良いものですが、メリットだけではなくデメリットもあります。そのためオール電化を検討するなら、導入後にどのようなことが考えられるかをしっかり検討する必要があります。
太陽光発電は売電できる点も特徴の一つです。余剰売電・全量売電のいずれかを選択できますが、売電だけではなく自家消費という選択肢もあります。経済性を重視するならどの選択肢がよいでしょうか?ここでは全量売電と余剰売電の解説や、自家消費との比較・どれがお得なのかをまとめています。