太陽光発電システムには住宅用・事業用などさまざまなタイプがあり、かかる費用も違います。また、総額だけでなく、それぞれパネルなどの本体価格や工事費用といった内訳ももちろん異なっています。ここでは特に太陽光発電に必要な費用について、その相場を解説します。
太陽光発電の費用統計を語る前に、FIT・FIP制度について説明しなければなりません。
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法施行規則第5条において、FIT・FIP制度を利用する太陽光発電設置者は、費用報告の義務があると定められています。
FIT制度は、各電力会社による固定価格での電力買取制度を指します。
片やFIP制度は、再生可能エネルギーを主力電源とするための新たな方策として、2022年4月から施行されています。
これまでのFIT制度は固定価格買取であったため、電力市場の需給バランスからは隔絶されたものであり、国民の負担増加が問題視されていました。
そこで電力を売電した際、その価格に一定の補助額を上乗せする制度としてFIP制度が実施されるようになりました。
参照元:太陽光発電|資源エネルギー庁
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/082_01_00.pdf
事業用太陽光発電のコストの構成を見ると、特にパネルにかかる費用が下がっていることがわかります。
工事費は直近ですとわずかながら上昇傾向にありますが、2013年と2022年を比較すると、その数値は1%ほどしか上がっておらず大差はありません、
一方、事業⽤太陽光発電のシステム費⽤では、2022年の相場が25.7万円/kwであり、やはり設置年が新しいほどに価格水準は低くなっている傾向が見られます。
このように太陽光発電の設置コストが減少しているのは、太陽光発電の普及や、技術開発による量産が理由だろうといわれています。
この10年に渡り低下してきた太陽光発電の費用相場が今後どんな動きをするのか気になるところです。
参照元:太陽光発電|資源エネルギー庁
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/082_01_00.pdf
資源エネルギー庁による太陽光発電の資料には、国内のコスト動向・システム費用が設置年別の推移で紹介されています。
これによりますと、住宅⽤太陽光発電のシステム費⽤は新築・既築の両者において低減しているのがわかります。
新築案件における2022年の設置コストとシステム費用は、1kwあたり平均値は26.1万円、中央値26.9万円となっています。これは2021年に比べても減少しており、10年前の2012年から見ても大きく数値を落としています。
また、平均値の内訳は太陽光パネルがおよそ55%、工事費が27%ほどを占めていました。
このように住宅用太陽光発電の設置にかかるコストが抑えられているということは、同時に発電に必要なコストも下がっていることを意味します。
参照元:太陽光発電|資源エネルギー庁
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/082_01_00.pdf
太陽光発電の費用は、具体的にどこにどれぐらいの値段がかかってくるものなのでしょうか。本体となる部分はもちろん、パーツ1つ1つにももちろん値段はあります。ここでは太陽光発電システムにかかる費用の内訳について考えてみたいと思います。
「太陽光発電」と聞いて、多くの方が真っ先にイメージするのがこの「太陽光パネル」ではないでしょうか。太陽光パネルは太陽の方向を向いて光を浴びる太陽発電には欠かせないパーツです。
その発電能力や耐久性などはメーカーごとにことなるため、1kwを発電するにあたり、一般的な費用としては約14万円から30万円と幅があります。
パワーコンディショナーは太陽の光によって発電した電力を直流から交流にする変換装置です。発電力を高めるためにも変換効率の良いものを選ぶことが大切で、自立運転機能がついていると停電していても使うことができます。価格は1kwあたり4万円代から。
発電モニターは太陽光発における発電量や売電の状況を遠隔で確かめるためのものです。発電モニターはほどんどのメーカーとその機種でオプション扱いされています。必ず取り付けなければいけないものではありませんが、電気の自給率や家全体の電気使用量がわかりますので、電力を有効活用したい際に便利です。1台の価格は10万円前後です。
太陽光発電にはさまざまなケーブルや配線がつながっています。そのケーブルや配線をまとめているのが接続箱です。機種によってはパワーコンディショナーにあらかじめ組み込まれている場合もあります。単体ですと1つあたり3万円前後です。
太陽光発電の設置価格は、これまで「相場が高い」というイメージが強かった方もいるのではないでしょうか。確かに10年ほど前までの太陽光発電は高額な費用がかかりましたが、今ではかなりコストが削減されています。
現在ではFIP制度も施行されていることから、太陽光発電の導入を考えているのでしたら相場の低いタイミングを見極めて設置したいところです。