太陽光の発電設備が破損した場合、火災保険の対象になるのでしょうか?また、どのような損害であれば、保障の対象になるのでしょう?具体的なケースはもちそん、メーカー保証ではカバーできないケースについても解説します。
太陽光パネルは基本的に、火災保険の補償対象となります。火災保険では、大きく分けると「建物」と「家財」が補償対象となりますが、太陽光パネルは主に「建物」として扱われます。
ただし、建物の所有者と太陽光パネルの所有者が異なる場合や、架台型の太陽光パネルの場合などは、「家財」として扱われることもあります。前者は、賃貸物件の入居者が自費で太陽光パネルを設置するといったケース。後者は、太陽光パネルが、屋根と一体になっていないから、といった理由になります。
太陽光パネルが、どちらの補償対象になるかは、契約を検討している保険会社に問い合わせてみてください。
もともとあった建物に、後付けで太陽光パネルを設置した場合、基本的には保険の見直しも行う必要があります。「建物として補償されるのだから、必要ないのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、パネルの取り付けによって、建物の評価額が上がっているからです。
太陽光パネルは、それなりに設置コストがかかるもの。もしも建物が全損してしまった際に、補償額が十分受け取れず、太陽光パネルの再設置ができなくなってしまいます。
代表的なケースは、建物の火災です。太陽光パネルは、一般的に、火災保険の補償対象である「建物」にあたります。建物に火災が発生し、太陽光パネルが破損した場合、火災保険が適用されます。
建物に後付けで太陽光パネルを設置した場合は、火災保険の見直しを行うようにしましょう。
太陽光パネルの盗難は、ほとんど考えられることではないでしょう。ただし万が一、太陽光パネルが盗難被害を受けた場合には、火災保険の「盗難補償」が適応される可能性があります。火災保険の対象としてはオプションであることも多いため、実際に適用されるかどうかは、保険会社に確認してみてください。
火災保険が適用されるケースには、火災はもちろん、落雷や破裂、爆発による被害も含まれます。そのため、落雷によって太陽光パネルが破損してしまった場合にも、火災保険は適用されます。
具体的には、「落雷によって太陽光パネルが損傷したことにより、出火が発生した」、「落雷の影響を受けて太陽光パネルが破損してしまった」、「近隣に落雷があったため、誘導雷が発生し太陽光パネルが故障した」といった場合。こういったケースの損害に見舞われたら、保険会社に連絡しましょう。
災保険には、特約として「風災補償」が用意されていることもあります。風災補償を付加していれば、例えば、台風などで発生した強風によって太陽光パネルが飛ばされた場合でも、火災保険による保証を受けることができるでしょう。
強風が発生すると、太陽光パネルが飛ばされてしまう他にも、物が飛んできて太陽光パネルに接触し、パネルが破損してしまうこともあるでしょう。こういった状況では、火災保険における「物体の飛来・落下」が適用される可能性もあります。
太陽光パネルが浸水被害によって損害した場合、火災保険の「水災補償」が適用される可能性があります。台風による大雨の影響で、河川が氾濫したり、ゲリラ豪雨によってマンホールの水が溢れ出す、といった浸水被害が考えられます。
ただし、水災補償には支払い条件もあります。ひとつは、建物・家財の再調達価格に対して、30%以上の損害が発生している場合。また、床上浸水(建物内の居住部分の床を超えるような浸水)、あるいは地盤面から45cmを超える浸水によって被害が発生している場合です。これらに当てはまらない場合は、支払われない可能性もありますので、注意しましょう。
太陽光パネルには10年以上のメーカー保証が付いているものですが、ほとんどの場合、火災や自然災害による損害は対象外です。メーカー保証が適用されるケースをよく吟味して、必要であればオプションの自然災害補償にも加入しておきましょう。
また、補償に加入していたのに、「いつの間にか補償期間が終わってしまっていた」といったケースも珍しくありません。補償期間がいつまでなのかについても、しっかりと確認しておきましょう。
火災や自然災害による太陽光パネルの破損はもちろん、パネルの破損によって近所や他人に被害をもたらしてしまう場合も考えられます。メーカー保証が適用されないケースに備えておきましょう。